ハワイで部屋飲みをするとき、私たちはよくアヒポケ(マグロのポケ)を買ってきます。お魚の栄養をおつまみ感覚で足せるので、ガーリックシュリンプやハンバーガーに寄りがちな滞在中の食卓には欠かせない一品です。そんな我が家の目に留まったのが、7月1日からハワイでアヒの「原産地表示」(どの国で水揚げされたかの表示)が義務づけられた、というニュースでした。
外部サイトへ遷移する
ニュースのあらまし
ハワイでAct 238という法律が2025年に成立していて、その中身が2026年7月1日から実際に始まった、というお話です。ざっくり言うと、こういう内容でした。
- 大きめのスーパーなどの小売店が生のアヒ(切ったもの・角切り・薄切り・たたきのほか、しょうゆや玉ねぎ、リムで味つけしたポケも含む)を売るときは、そのアヒが「どの国で水揚げされたか」を表示しなければならない
- 対象になるのは、連邦法のPACA(生鮮農産物の取引に関する法律)の免許を持つ小売店。野菜や果物を1年に23万ドルを超えて仕入れる規模のお店がこれに当たる
- アヒとして表示の対象になるのは、キハダとメバチ(養殖も含む)
- 州の農業・バイオセキュリティ局が、品質保証課を通じて周知と指導で運用を支える。守っていないお店は警告を受け、州法にもとづく処分の対象になることもある
- 目的は二つ。ひとつは買う人が正確な情報を得られるようにすること。もうひとつはハワイの地元漁業の価値を知ってもらうこと
州の農業・バイオセキュリティ局のトップ(シャロン・ハード局長)も、売り場で原産国の情報が分かるようにしつつ、ハワイの漁業の価値も認めていく、という趣旨のことを話していました。要は、ハワイで水揚げされたアヒと、外国から輸入されたアヒを、買う側がちゃんと見分けられるようにしましょう、という流れなんですね。法案の説明によると、ハワイのお店で売られているアヒは、いったん冷凍されて色を保つガス処理もされた輸入ものが多いのに、買う人の多くは地元の漁で獲れたものだと思い込んでいる、というのが背景にあるそうです。
ポケ好きの我が家には、地味に関わってくる話
正直に書いておくと、私たちはハワイで寿司屋にはあまり行きません。お寿司なら日本で食べたほうが、という気持ちが出てしまうからです。ただ、アヒポケはそれとはまったく別の食べ物だと思っていて、こちらは滞在中の定番おつまみとしてよく買います。
大きな理由はお魚の栄養です。ハワイにいると、油ものやお肉に寄りがちになるので、マグロのポケでDHAやEPAをおつまみ感覚で足しておく、というのが我が家のいつものやり方になっています。買う先は近所のスーパー(FoodlandやWhole Foods)が中心で、ビールと一緒に部屋でつまむのがちょうどいいんですよね。ポケそのものの話は、以前 オアフでポケ専門店が次々オープンしている話 でも書きました。
そんなふうにスーパーの鮮魚コーナーの前をよく通る身からすると、そこに「どこの国で水揚げされたか」が書いてある、というのは地味に気になる変化です。しかも対象には、私たちがふだん手に取る出来上がったポケも入っています。産地という新しい物差しがひとつ増えると、棚を眺める時間がちょっと楽しくなりそうです。
対象は大きめのお店の「生のアヒ」。味つけしたポケも入る
ここは正確に押さえておきたいのですが、今回のルールがかかるのは、大きめのスーパーなどの小売店で売られる「生のアヒ」です。この「生のアヒ」には、柵や刺身のように切ったものだけでなく、しょうゆや玉ねぎ、リム(海藻)で味つけしたポケも入ると法律に書かれています。法案の説明でも、ハワイのお店で売られるアヒの大半はポケと寿司だとわざわざ触れているくらいなので、むしろポケが本命のようです。
なので、私たちがいつもスーパーで買ってくる出来上がったポケにも、水揚げ国の表示がつくことになります。一方で、対象は「連邦の免許を持ち、野菜や果物を年に23万ドルを超えて仕入れる規模のお店」なので、小さなポケ専門店まで対象になるかはお店ごとに違いそうです。レストランの扱いは、法律にも州の発表にも出てきません。ポケのテイクアウトについては 近所でポケを買って帰るいつもの流れ にも書いたとおりで、あちらはあちらで気軽さが魅力です。
正直に言うと、我が家はスーパーで生のアヒの柵を買ったことはありません。ポケはいつも出来上がったものを買ってくるので、自分で味つけをする場面がそもそもなかったんですよね。ただ、柵にも表示がつくと聞くと、次にスーパーへ行ったときに生アヒの柵をちょっと覗いてみたいような気もします。ワイキキマーケットにはアヒポケ用のシーズニングやタレも売っているので、いっそ自分で作ってみてもいいのかもしれません。……とはいえ、たぶん途中で面倒くさくなって、結局は出来上がったアヒポケを買って帰るんだろうなぁ、というのが正直なところです。
地元の海のアヒか、輸入ものか
このニュースでいちばん「なるほどねぇ」と思ったのは、地元漁業のことまで見据えている点でした。ハワイにはアヒを獲る漁の文化があって、ハワイの港で揚がったアヒと、外国から運ばれてきたアヒが、これまでは棚の上で同じ顔をして並んでいたわけです。それを見分けられるようにする、というのは、買う側の情報という意味でも、地元の漁を応援したい人にとっても、筋が通った話だなぁと感じます。
私たちは地元の漁業事情に詳しいわけではありませんが、せっかくハワイにいるのなら、その土地の港で揚がったものを選んでみたい、という気持ちはあります。どこで揚がったかが見えるようになれば、そういう選び方も自然にできるようになるので、こういう表示はありがたいですね。値段が少し違っても、「今日はハワイで揚がったアヒにしようか」と選べるのは、買い物のちょっとした楽しみになりそうです。
次の滞在では、アヒの値札をちょっと見てみようかな
まとめると、私たちの生活が7月1日を境にがらっと変わる、という大きな話ではありません。ただ、スーパーで生のアヒやポケを買うときに、水揚げ国という新しい情報がひとつ増える。それだけでも、鮮魚コーナーで値札を眺めるのが好きな我が家にとっては、けっこう楽しい変化です。
次にハワイへ行ったら、いつものようにアヒポケの材料を探しがてら、「どこで揚がったアヒなんだろう」と値札をちょっと気にしてみようと思います。ビールのおつまみを選ぶ時間が、また少しだけ長くなりそうです。











