ハワイのハリケーンシーズン2026、7月末までに近づいた嵐は1個 ― ファウスト通過後のいまと残り4か月
2026年のハワイのハリケーンシーズンは、6月1日に始まって11月30日まで続きます。予報は平年を上回る5〜13個でしたが、7月末までにハワイ周辺の海域へ入ってきた嵐は、7月下旬のハリケーン・ファウストの1個だけでした。私たちは海に入らず部屋でのんびり飲んでいる時間が長いのですが、それでも飛行機と停電のことだけは、この時期になると毎年少し気にかけています。ここまでに何が来て、何が来なかったのか。そして11月末までの残り4か月をどう眺めておけばいいのかを並べてみます。
ニュースのあらまし
まずは今シーズンの枠組みから。
- シーズン: 2026年6月1日から11月30日まで
- 予報: アメリカ海洋大気庁(NOAA)の国立気象局ホノルル予報事務所が、中部太平洋で5〜13個の熱帯低気圧(まだ勢力の弱い段階の、台風のたまごのようなもの)を予想
- 平年: 4〜5個。今年は平年を上回る確率が70%、平年並みが20%、下回るのが10%
- 背景: 中程度かそれ以上のエルニーニョ(太平洋の赤道あたりの海面水温が高くなる現象)がシーズンを通して続く見込み。強いエルニーニョの年は中部太平洋の活動がぐっと増える傾向があるそうです
- 中部太平洋の範囲: 赤道より北で、西経140度から日付変更線までの海域
2026 Central Pacific Hurricane Outlook calls for above-normal season with 5-13 tropical cyclones | Maui Now
Forecasters are predicting an above-normal hurricane season for the central Pacific basin this year. NOAA’s outlook for the 2026 hurricane season, which runs June 1 to Nov. 30, predicts a 70% chance of an above-normal season, with at total of 5-13 tropical cyclones across the central Pacific in the forecast.
NOAA自身が言い添えているとおり、この予報は大きな気候の傾向を示すもので、いつ・どこに来るかを当てるものではありません。「今年は多めらしい」と頭の隅に置いておく、くらいの受け取り方がちょうどよさそうです。
6月から7月末まで、実際に来たのはこれだけ
シーズンが始まってからの動きを、日付順に並べるとこんな形になります(すべて現地時間)。
| 時期 | 名前 | どこで生まれたか | ハワイへの影響 |
|---|---|---|---|
| 6月3日 | 熱帯低気圧アマンダ | 東太平洋。バハ・カリフォルニア半島南端から西南西に約1,475マイル(およそ2,400キロ) | 中部太平洋には入らず、警報・注意報もなし |
| 7月1日 | 熱帯低気圧ダグラス | 東太平洋。バハ半島南端の西南西およそ1,180マイル | ハワイへの脅威なし。3日ごろには消滅 |
| 7月23日 | ハリケーン・ファウスト | 東太平洋から、ヒロの東およそ1,950マイルで中部太平洋へ | 今シーズン初めて中部太平洋に入ってきた嵐 |
| 7月27日 | ハリケーン・ジェネビーブ | 東太平洋。バハ半島南端の南南西およそ520マイル | 一時カテゴリー5まで発達。海の上を進み、ハワイへ向かう進路ではなし |
| 7月28〜29日 | ファウスト | 島々の北を通過 | 東を向いた海岸に高波。29日に熱帯低気圧まで弱まる |
Amanda strengthens into first tropical storm of 2026 Eastern Pacific Hurricane Season | Maui Now
At 8 a.m. on Wednesday, June 3, 2026, the center of Tropical Storm Amanda was located about 1,475 miles WSW of the southern tip of Baja California. Amanda is moving toward the NW near 8 mph and this motion is expected to continue through Friday, according to the National Hurricane Center.
こうして並べてみると、名前を聞いた嵐そのものは何度かあったのに、ハワイの周りの海域まで入ってきたのはファウストだけ、という形です。アマンダもダグラスもジェネビーブも、生まれたのはメキシコ沖の東太平洋。ジェネビーブにいたっては東太平洋では2年ぶりというカテゴリー5まで発達しましたが、メキシコの海岸と平行に海の上を北西へ進む進路で、沿岸への警報も出ていませんでした。遠くの海で大きな嵐が育っていても、ハワイまでは届かずに終わることの方が多いんですよね。
ファウストが置いていったのは、東の海岸の波でした
そのファウストは、7月23日にヒロの東およそ1,950マイルのあたりで中部太平洋に入ってきました。この時点で最大風速は時速80マイル。24日にはカテゴリー2まで発達しましたが、そこからは弱まりながら西北西へ進み、28日から29日にかけて島々の北を通り抜けています。
28日午後5時の時点で、位置はヒロの北北東255マイル、ホノルルの東北東310マイル。最大風速は時速40マイルまで落ちていました。それでも波の方は大きく、東を向いた海岸には14〜18フィートの高波警報。カウアイ、オアフ、モロカイ、マウイ、それにハワイ島の一部が対象で、ハワイ島の東の海岸では警報を受けてビーチが閉鎖されました。
28日午後11時にはヒロの北およそ250マイルで熱帯低気圧まで弱まり(最大風速は時速35マイル)、29日の午前遅くには熱帯低気圧としての形も失って、ただの低気圧の残骸になる見込みと発表されました。高波警報も同じ日に注意報へ格下げされ、東を向いた海岸の波は午前中の8〜12フィートから、午後には10フィートを下回るところまで落ち着いています。
Tropical Depression Fausto Wednesday update: Storm now forecast to become post-tropical remnant low by late this morning | Big Island Now
High surf along east-facing shores of the island chain generated by Fausto also is declining quickly as the system passes by the state.
ワイキキは南を向いた海岸なので、この東うねりを正面から受ける場所ではありません。ファウストが近づいてきた週の進路の見方や、その間にやっておいたことはハリケーン・ファウストの記事にまとめています。
数の上では、シーズンはまだこれから
予報の5〜13個に対して、7月末までに中部太平洋へ入ってきたのは1個。シーズンは11月30日まで、あと4か月あります。ここまで静かだったからといって、今年は静かな年でした、という話にはならないわけですね。
5月に予報が出たとき、気象台の担当の方は「かなり忙しい年になる可能性がある」と話していました。あわせて気になったのが、東太平洋から流れてくるのではなく、中部太平洋の中で生まれる嵐が増えるかもしれないという指摘です。遠くで生まれて何日もかけて近づいてくる嵐なら、ニュースを見てから買い出しに行く時間があります。近くで生まれると、その時間が短くなる、ということなんだそうです。
5 to 13 tropical cyclones predicted for potentially ‘very busy’ Central Pacific hurricane season | Big Island Now
An average season for the region sees only 4 to 5 tropical cyclones — which include tropical depressions, tropical storms and hurricanes, so officials urge everyone to be prepared.
ファウストのときは、名前を聞いてから島の北を通り抜けるまで一週間近くありました。同じ余裕が毎回あるとは限らない、というのは覚えておいてもよさそうです。
部屋で過ごす私たちが、シーズン中に構えていること
まず泊まる場所。きれいに管理の行き届いたヒルトン系の高い階に滞在しているので、低い土地の浸水のような心配はあまりしなくて済みます。これは思っている以上に安心材料です。逆に、停電でエレベーターが止まったときのことは頭をよぎるので、そこは高い階なりの弱点だなぁと感じています。
買い出しは、普段のリズムをそのまま使えます。我が家はまとめ買いをしたあと数日ほとんど出かけない、という波で動いているので、天気が崩れそうな週は、そのまとめ買いの日を一日か二日前に倒すだけで形になります。ビールは歩いて1〜2分のロングス、食材とフルーツは歩いて15分ほどのワイキキマーケットで。買い出し自体が夫婦の楽しみでもあるので、天気が崩れる前に済ませてしまうのはむしろ気が楽です。
水だけは、いつもどおりというわけにいきません。普段は日本から持って行った浄水ポットで水道水を濾して飲んでいて、重いペットボトルを部屋に積む暮らしはやめてしまいました。ただ、断水したり停電で水まわりの設備が止まったりすると、濾す元の水そのものが出てきません。その日は浄水ポットがただの空き容器になります。名前の付いた嵐が近づいてきた週だけは、飲み水を何本か買い足しておくのが現実的だと思っています。
停電は、ほかにも地味に効きます。部屋にこもってのんびり飲んでいる時間が長いので、冷蔵庫が止まって、冷やしておいたビールがぬるくなっていくのを眺めるのは、ちょっと切ないものがありますからね。スマホとタブレットは荒れそうな日の前に満充電にしておく、というだけでもずいぶん気が楽になります。
飛行機については、うちの場合そこまで慌てる話にはなりません。1回の滞在を25泊くらい取ることが多いので、行きや帰りが一日二日ずれても日程の前後で吸収できます。それでもシーズン中は、自分たちの便のあたりに大きな嵐の予報が出ていないかだけ、ちらっと見ておくと安心です。
車を運転しない私たちは、給油や駐車場の段取りもありません。移動は歩きとThe Bus(市バス)、それにUberやLyftが中心なので、道路が冠水したというニュースが出たら、その日は出かけないというだけの話です。レンタカーで回る予定の方には、給油や車を停める場所という別の準備があるはずで、そこはそれぞれの過ごし方ですね。
シーズン中に滞在を組むときに、頭に入れておくのはこのくらいです。
- 行き帰りの日程に、少しだけ余白を持たせておく
- 泊まる部屋が低い土地でないか、ざっくり把握しておく
- 名前の付いた嵐が出たら、その週の買い出しを前に倒す
- 飲み水を何本か買い足しておく
- スマホとタブレットの充電を切らさない
電力会社がシーズン前に呼びかけていた備えの中身(14日分の水と食料、停電対策、倒れた電線への注意など)は、シーズン開幕前の記事にまとめてあります。住んでいる方向けの数字なので、滞在で来ている身としては、そこから自分たちに要るものだけを抜き出す形になりますね。
8月からの数か月は、こんな心づもりで
ここまでを一言でいえば、「予報は多めだったけれど、7月末までに近づいたのは1個」。この先どうなるかは誰にもわかりませんし、だからこそ予報の数字は当たり外れで見るものではないんだろうなと思っています。名前の付いた嵐がハワイに向かってきたときに、買い出しを一日前に倒して、飲み水を何本か足して、充電をしておく。やることはそれくらいで、あとはいつもどおりです。
窓を開けて、午後の早い時間からリビングのソファでビールを開ける。その時間が、残りの4か月も静かに続いてくれたらいいなぁと思いながら、今シーズンの空を眺めています。
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